建設・不動産業界におけるデジタルツインの活用

前回の記事「スマートシティにおけるデジタルツインの活用」でもご紹介したように、現実世界を仮想空間へ双子のように再現する「デジタルツイン」が、さまざまな企業や業界において活用されています。

この記事では、デジタルツインが建設・不動産業界ではどのように活用されているか、当社による活用事例とともにご紹介します。

建設・不動産業界における、デジタルツイン技術の活用例

建設業界や不動産業界では、デジタルツイン技術の活用が広がっており、様々なケースでの改善や効率化などで役立てられています。

プロセスの改善

デジタルツイン技術を活用し、仮想空間上に建物や施設などを再現することで、設計やプランニングの段階から課題発見や解決を図れ、顧客の要望により効率的かつ正確に対応ができます。

建設現場の管理改善

建設業界においては、現場管理は重要な業務の一つと言えます。しかし、そこでおこなわれる情報共有には誤解釈や漏洩のリスクはつきものです。

このようなリスクは、デジタルツイン技術の活用によって回避できます。スマートフォンやタブレット端末などで現場状況を撮影したものをデジタルツイン上に表示することで、より詳しい進捗状況の共有が可能となり、さらに、データをクラウド上で管理することで、よりセキュアに情報管理がおこなえるようになります。

メンテナンスや修理の支援

建物や施設のメンテナンス・管理にデジタルツイン技術を活用することで、点検や修理に必要となる情報を、効率的に収集できるようになります。

デジタルツイン技術を活用して仮想空間上の建物内の設備や機器に情報を反映することで、点検や修理に必要な情報を的確に把握でき、稼働状況やメンテナンス履歴を一元管理することが可能となるため、更なる作業の効率化を図れます。

環境負荷の軽減

あらゆる業界において環境負荷の軽減が求められる昨今ですが、デジタルツイン技術を活用しエネルギー管理やモニタリングを継続的におこなうことで、環境負荷の軽減という面でも活用が可能です。

建物内のエネルギー消費量・CO2排出量をデジタルツイン上でシミュレーションし、建物の設計・運用を最適化することによって、エネルギー消費を最小限に抑えることが期待されています。加えて、エネルギー管理やモニタリングを継続的におこなうことで、持続可能な社会への貢献も可能となります。

不動産物件の売買

不動産業界では物件の売買が主要な業務となりますが、そこにデジタルツイン技術を取り入れることで、バーチャルツアーなどを通じて物件内部や周辺環境を体感することが可能になります。

例えば販売側には、物件の魅力をより鮮明に伝えられるというメリットがあります。一方の購入側には、物件まで足を運ぶことによる時間的な制約を受けずに、通常の内覧とほぼ同じレベルで物件内部の様子を体感できるというメリットがあります。

このようにデジタルツイン技術の活用は、販売側・購入側の双方に大きな可能性とメリットをもたらします。

当社による、デジタルツイン技術の活用事例

当社ブロードメディアでは、株式会社積木製作の提供する高画質3DCGクラウド配信サービス「Luxstream(ラグストリーム)」への技術協力をおこなっています。

タブレット端末の操作で、高画質な建築空間を再生する様子
タブレット端末の操作で、高画質な建築空間を再生する様子

「Luxstream」は、臨場感のあるバーチャル体験を実現するサービスで、分譲マンションの販売用ツールとして開発されました。スマートフォンや自宅PCなどといったあらゆるデバイス上から、高精度なCGを体感できるようになります。

分譲マンションでは、物件竣工前から販売開始される商慣習から、室内空間や共用部分などをイメージしづらく、検討が長期化したり認識齟齬を生じたりしやすいという課題があります。そこで販売時にLuxtreamを活用することで、販売センターか遠隔地(非対面オンライン)かに関わらず、高精度な3DCGによるVR体験を提供できることから、これらの課題解決へ一助しています。

このようなLuxtreamを通じたVR体験を、あらゆるデバイス上からおこなえるようにするため、数多くのクラウドゲームでも実績のある当社「Gクラスタ」の配信技術が活用されています。

Luxtreamを通じたVR体験のイメージは、次の動画でもご覧いただけます。

さいごに

建設会社や不動産会社におけるデジタルツイン技術の活用は、より効率的な業務遂行や顧客満足度の向上、環境負荷の削減など、様々なメリットが得られるとともに、競争力の強化につながります。

しかしデジタルツイン技術を活用するには、専門的な知識やスキルが必要なことから、専門家・技術者の育成やシステムの構築など、大きな取り組みが必要となります。

デジタルツインや3DCGの活用・配信でお困りのことなどございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。

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ブロードメディアでは、様々な業界向けに、Gクラスタ技術を応用したクラウド型3Dストリーミング配信サービスを提供しています。開発や設備運用にかかるコストを最小限に抑えながら、マルチデバイスへのシームレスな配信を実現します。

3DCGの制作から配信技術などを幅広くサポートしていますので、ご検討や、お困りのことがありましたら、ぜひご相談・お問い合わせください。

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