テレビCMオンライン運用の最新状況と課題対応 Vol.1

2017年10月よりテレビCM素材のオンライン運用が開始され、テレビCMオンライン送稿も6年目を迎えました。オンライン運用を開始した局数は合計179局(※)に拡大し、CM素材の放映を取り扱う放送局では、すべてオンライン送稿の受け入れが可能な状況です。

※民放連加盟136局+非加盟BS/CS43局、2023年5月31日時点。

この記事では、一般社団法人 日本広告業協会様(以下、JAAA)のご協力を得て、テレビCMオンライン運用における最新状況と課題への対応について、全3回に分けてご説明していきます。

テレビCM素材オンライン送稿本数の推移

テレビCMのオンライン運用/オンライン送稿における新規搬入本数
テレビCM素材のオンライン送稿における新規搬入本数

テレビCM素材のオンライン送稿における新規搬入本数は、2021年度までは順調に右肩上がりで推移してきました。

しかし2022年度では、初めての対前年度割れ(99.9%)となるなど、現在では踊り場に差し掛かっています。そして同年度には前年同月比でも下回る月が出てきていますが、これは2021年度のHDCAM受け入れ終了に伴うファイルベース切替による特需の反動であることに、注意する必要があります。

一方で、オンライン運用を開始した広告主数および進行担当広告会社(媒体扱い広告会社)数は、引き続いて順調に伸びています。このことからも、前述の対前年度割れは一時的なものであったと捉えることができます。

オンライン送稿の利用社数は日々拡大中

テレビCMのオンライン運用/利用社数は拡大傾向が続く
オンライン送稿の利用社数は拡大傾向が続く

広告EDIセンター社がおこなったCM素材オンライン運用の利用実態調査(2023年2月20日時点)によると、累計の素材搬入本数が約177万本、広告主数が約4,500社、広告会社が653社にまで、それぞれ拡大しています。

なお累計の素材搬入本数については、今年5月末時点の速報ベースで200万本を超えたという報告もあり、オンライン運用を利用される広告主や広告会社は、主要都市を中心に増加傾向が続いています。

オンライン受入局数の現状は?

テレビCMのオンライン運用/受入局数の現状
2023年2月27日時点では168局がオンライン受入可能に

2017年10月当初は21局で始まったオンライン受入局も、2023年2月27日時点で168局となっています。そして今年度に入るとBS/CS局での受入体制もさらに進み、2023年5月末時点では179局にまで拡大しています。

つまり、テレビCM素材を放映する地上波(系列局/独立局)およびBS/CS局はすべて、オンラインでの受入体制が整っていると捉えて差し支えありません。

エリア別でみるオンライン運用比率の現状

テレビCMのオンライン運用/エリア別でみるオンライン運用比率
エリア別でみるオンライン運用の比率

今年1月にかけてJAAAが実施した、オンライン運用に関する広告会社向けアンケート調査によると、東名阪および九州を中心にオンライン化が進んでいることがわかります。

エリア別にみると、関東地区(80.23%)や九州地区(73.33%)が高い一方で、中国・四国地区(11.78%)や北海道地区(19.00%)、東北地区(31.28%)ではオンライン化の途上にあるようです。当社CMオンライン送稿サービスをご利用中の広告会社様においても同様の傾向がみられ、東名阪を除くと九州地区がもっとも多く、逆に中国・四国エリアがもっとも少なくなっています。

オンライン運用比率が低いエリアにおいては、独自のエリア事情なども勘案しつつ、説明会によるメリットのご案内などを通じて、より一層の普及活動をおこなってまいります。

テレビCMオンライン運用への期待

JAAAのおこなったアンケート調査によると、依然として多くの広告会社が、テレビCMオンライン運用についての説明会実施を希望されていることがわかります。

テレビCMのオンライン運用/説明会実施を希望される社数
依然多くの広告会社が説明会実施を希望

当社においても2022年11月頃から全国の広告会社様へご案内にまわっておりますが、より期待に応えられるよう、引き続き活動をおこなってまいります。

テレビCMオンライン運用100%化に向けた活動

テレビCMオンライン運用100%化に向けて、JAAA主導により様々な活動をおこなっています。そのうちの一部を参考まで、以下にご紹介します。

ローカルエリアにおける普及拡大

  • 内容:東京・大阪・名古屋からのオンライン送稿比率との格差の解消
  • 状況:各エリア内でのオンライン運用メリットの周知~普及活動の実施

直案件のオンライン化

  • 内容:各局からの広告会社不在取引でのオンライン運用要望への対応
  • 状況:オンラインプロジェクトでの協議・方式検討~合意を得て立案

民放連加盟以外とのオンライン運用の開始

  • 内容:クラウドストレージ連携方式の導入
  • 状況;2023年2月1日O.A.分~順次導入開始済

当社としましてもテレビCM素材搬入事業者の1社として、全国オンライン化に向けて、オンライン運用のメリット周知などの普及活動を進めてまいります。

テレビCMオンライン運用について、ご興味またご不明な点がありましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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動画によるご紹介

テレビCMオンライン送稿について、動画でご説明しています。

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ブロードメディアでは、CMオンライン送稿サービスを提供しています。
素材搬入事業者としてテレビCMへの字幕制作(付与作業)に対応しており、協力会社を通じて字幕付きOA原版作成が可能です。

初号をお渡しいただければ、字幕制作(付与作業)からオンライン搬入(局納品)まで、ワンストップで対応いたします。
何かお困りの際には、ぜひお気軽にご相談ください。

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