海外の映画祭で利用される最新TMS(上映管理システム)とは?

映画祭は、映画業界における重要なイベントであり、多岐にわたる役割を果たしています。

新作映画の発表の場としてはもちろん、映画監督や俳優が国際的な評価を受ける機会であることも多く知られていますが、映画の売買がおこなわれるマーケットでもあり、最新の映画技術が披露される場でもあります。

では、現在多くの国際映画祭で採用されている上映管理システム(TMS)があることをご存じでしょうか?

サン・セバスティアン国際映画祭

サン・セバスティアン国際映画祭(SSIFF)は、1952年からスペインのサン・セバスティアンで毎年9月に開催されている、歴史ある映画祭です。

これまで世界中の観客や専門メディア、業界の専門家に厳選された作品を提供するとともに、開発中のプロジェクトやクリエイター、プロデューサー、配給業者のビジネスチャンスを促進してきました。

デジタルシネマのソフトウェアおよびサービスを世界的に展開しているAAM(Arts Alliance Media社) は、SSIFFとソフトウェアパートナーシップを結んでおり、SSIFFのサポートを開始して10年になります。

AAMが提供するTMSによって、すべてのコンテンツとスケジュールは運営本部から管理できるようになっており、スタッフは日常のタスクをリモートで自動化することで、効率的な運用が実現できています。

SSIFFのテクニカルマネージャーであるLucas Iaccarino氏は、次のように話しています。

過去10年間、AAMのソフトウェアは当映画祭の運営に欠かせない存在でした。

常に信頼性が高く専門的なコンテンツ管理ソリューションを提供し、私たちを失望させたことはありません。私たちの業務を強化し、さらに新しい機能を探求し続けています。

この信頼できるパートナーシップを今後も長年にわたって継続することを楽しみにしています。

トロント国際映画祭

国際映画製作者連盟(FIAPF) 公認の国際映画祭であるトロント国際映画祭(TIFF) も、AAMとのソフトウェアパートナーシップを結んでおり、3年連続ですべてのコンテンツと上映、ハードウェアを管理しています。

2024年で49回目を迎えるTIFFでは、わずか11日間で250本以上の映画が上映され、上映や講演、ワークショップ、映画製作者との交流会などを通じて、世界中の観客に国際映画とカナダ映画の最高傑作を体験する機会が提供されています。

AAMのソフトウェアを採用することで、すべてのスクリーンとコンテンツを1か所から包括的に制御でき、クラウドベースのハードウェア管理システムによってネットワーク全体のすべてのデバイスを監視し、スムーズでエラーのない操作を実現しています。

シッチェス映画祭

ファンタジーやSF、ホラーなどのジャンル映画に特化した映画祭であり、世界三大ファンタスティック映画祭の一つとして知られるシッチェス・カタロニア国際映画祭(SIFFF) でも、AAMのシステムが採用されています。

世界有数のファンタジー映画祭であるSIFFFですが、第57回ではAAMのTMSがすべてのスクリーンに導入され、集中的なコンテンツ管理とサイト可視性の向上が実現しました。

現在まで4年連続でAAMがサポートしており、包括的なコンテンツ・スケジュール管理、サポートサービスを提供しています。

SIFFFの管理部門責任者である、Natalia Rey-Joly氏は、次のように述べています。

AAMの信頼できるサポートを4年連続で受け、私たちは自信と安心感を得て、また忘れられない映画祭を開催することができました。

TMSでコンテンツ管理を一元化することで、すべてのスクリーンでシームレスなスケジュール設定と制御が可能になりました。

ローマ国際映画祭

イタリアのローマで2006年より毎年開催されているローマ国際映画祭(RoFF)では、AAMがイタリアおよび国際映画の振興団体であるCinema per Roma Foundationと提携し、第19回からサポートを実施しています。

世界最大級のレッドカーペットとメイン上映室を備えたパルコ・デッラ・ムジカ音楽堂をはじめ市内のさまざまな文化施設で開催されるこの映画祭では、国際コンペティションや公開ミーティング、特別上映、イベント、トリビュートなどのプログラムが実施されます。

TMS経由で取り込まれたコンテンツは、DCPの有効性が確認されてから各開催地のサーバーに転送され、スケジュールされたパフォーマンスを保護するための厳格な品質管理手順が踏まれます。

RoFFのITC部門責任者であるAndrea Bissi氏は、次のように語ります。

トップクラスの技術サービスを統合することが、プロセスを合理化し、映画鑑賞体験全体を向上させる鍵です。

映画祭のダイナミックな環境をうまく乗り切るAAMの専門知識は頼もしく、継続的な技術成長と映画祭運営の拡大をサポートしてもらえると、信頼しています。

さいごに

AAMのTMSは、映画祭の規模やニーズに応じて柔軟に対応できるため、小規模な映画祭から大規模な国際映画祭まで、幅広く利用されています。

映画上映のスケジュール管理やコンテンツ配信を一元化し、運営の効率化を図ることで、映画祭スタッフの手間を省き、よりスムーズな運営が可能となっています。

当社では、Arts Alliance Media社(AAM)のTMS「Screenwriter」を提供しています。

世界36か国・約44,000スクリーンに導入され、世界で最も利用されているTMSであり、年間数百万回もの上映を管理しています。また映画館の高度な自動化オプションや、デジタルシネマにおける最新のプロジェクター・テクノロジーにも対応しており、POSシステムとの連携も可能です。

映画館のシステム周りやデジタル運営でお困りのことがありましたら、ぜひ一度ご相談ください!

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本書では、世界中の約45,000スクリーンで導入・運用されているTMS「AAM Screenwriter」について、その主な機能と特長についてご説明します。

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ブロードメディアでは、デジタルシネマに関する各種サービスを提供しています。

上映素材を映画館までインターネット経由で配送するDCP配信サービスや、上映・興行管理システム(TMS:シアターマネジメントシステム)については、日本国内の50館以上へ導入され、映画館のデジタル運用を日々サポートしています。

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