最新の特殊スクリーンを一元管理できるTMSとは?【IMAXデジタルシアターやドルビーシネマにも対応】
映画業界が世界的にデジタル化されて以降、映画館の上映設備やサウンドシステムは格段に進化を遂げており、様々な特殊スクリーンが日々開発されています。
国内の映画館でも、特殊な上映設備のシアターを導入する動きが広まっており、下記がその主な種類です。
- IMAXデジタルシアター、IMAXレーザー、IMAXレーザー/GTテクノロジー
- ドルビーシネマ
- MX4D
- 4DX
- ScreenX
- 4DXScreen
- Dolby Atmos
- BESTIA
- TCX
- ULTIRA
この中でも一般的に広く認知されているのは、「IMAXデジタルシアター」「ドルビーシネマ」「MX4D」「4DX」ではないでしょうか。それぞれの国内における導入状況としては、IMAX:44館、ドルビーシネマ:9館、MX4D:17館、4DX:62館、となっています。(2023年6月時点)
ただ、こういった特殊な設備が次々と導入されていく一方、映画館側にとっては運用が煩雑になってしまっているのも現状です。
映画館では通常、上映管理システム(TMS:Theater Management System)を利用して全スクリーンの運用をおこないますが、日本では"IMAXデジタルシアター"と"ドルビーシネマ"は個別での運用が基本となっており、スムーズに運用できない原因のひとつになっています。
それでは、海外ではこの特殊スクリーンをどのように運用しているのでしょうか?
海外における特殊スクリーンの運用事情
海外の場合でも日本と同様に、IMAXデジタルシアターやドルビーシネマは、通常スクリーンの映写室の並びにある場合もあれば、通常のスクリーンとは別の場所に設置されている場合もあります。
ただ、これらの特殊スクリーンを含む全てのスクリーンは、一元管理可能なTMSを使用して運用するのが一般的です。コンテンツ管理やSPL作成、スケジュール登録などは、通常のシアターと同様に運用されており、特殊スクリーンだけ個別に運用をおこなうようなことはありません。
一方で、国内における特殊スクリーン運用の現状は・・・
日本国内における運用は、海外とは異なるのが現状です。
基本的にIMAXデジタルシアター・ドルビーシネマともに、映写室で実機を直接操作し、SPL作成やスケジュール作成などをおこないます。そのため上映中の作業は難しく、幕間時や営業前、営業後に作成する運用となってしまっているようです。
またコンテンツのインジェストについても、上映終了後にUSB/HDDを実機に直接接続して作業することから、夜間作業が発生してしまい、映画館スタッフの負担が増えています。
こういった運用にならざるを得ない理由としては、IMAXデジタルシアター・ドルビーシネマに対応するTMSが多くの映画館に導入されていないことや、ネットワークの物理線がないことなどが挙げられます。これらの要因から、特殊スクリーンは個別での運用が基本となってしまい、通常スクリーンとは別に操作している映画館がほとんどです。
かつては海外でも個別運用が基本だったが・・・
かつては海外でも同様に個別運用されていましたが、その中でデジタルシネマのソフトウェア開発会社であるArts Alliance Media社(以下、AAM社)は、このような運用方法は効率的でないと捉えていました。そのためAAM社では、SPL作成やスケジュール作成、コンテンツ転送などをすべてのスクリーンに対してTMSで実施できる仕組みの確立を目指して、開発を進めました。
そして、通常スクリーンと特殊スクリーンの一元管理が可能なTMSが開発されました。すでに海外ではAAM社のTMSが広く導入され、全スクリーンの一元管理をおこなえる環境が整っています。
特殊スクリーンを一元管理できるTMSが、日本国内でも広まりつつある
AAM社のTMSは、国内でも多数の映画館に導入されており、実際にIMAXデジタルシアターやドルビーシネマへの接続事例もあります。
当社ではAAM社のTMSを取り扱っており、特殊スクリーンへの接続テストなども可能です。
さいごに
映画館のデジタル化が進み、様々なシステムによって劇場運営の効率化が進んでいきました。しかし、独立したシステムが併用されることで、逆にコストや時間のロスを招いている事象も出てきています。
デジタル運営が安定してきた今だからこそ、再度システムの運用方法を見直すことが、未来の映画館運営に繋がっていくのではないでしょうか。
当社が提供しているArts Alliance Media(AAM)社のTMS は、映画館の高度な自動化オプションと、デジタルシネマにおける最新のプロジェクターとテクノロジーのサポートに対応しています。
世界36か国、約43,000スクリーンで導入されるなど、世界で最も利用されているTMSであり、年間数百万回もの上映を管理しています。
映画館のシステム周りやデジタル運営でお困りのことがありましたら、ぜひご相談ください。
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この動画では、"映画館デジタル化"の本質と興行運営の一元化についてお話しします。
サービス紹介ページ
ブロードメディアでは、デジタルシネマに関する各種サービスを提供しています。
上映素材を映画館までインターネット経由で配送するDCP配信サービスや、上映・興行管理システム(TMS:シアターマネジメントシステム)については、日本国内の50館以上へ導入され、映画館のデジタル運用を日々サポートしています。
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