ホテルインフォメーションシステムとは？【宿泊施設の客室テレビを活用した総合案内】

ホテルや旅館などの宿泊施設において、様々な状況変化を受け、客室向けホテルインフォメーションシステムの重要性がこれまで以上に増しています。

この記事では、ホテルインフォメーションシステムについて、基本や必要とされる背景、メリットなどについてご説明します。

ホテルインフォメーションシステムとは　〜できること＆メリット〜

ホテルインフォメーションシステムとは、その名のとおり、ホテルなどの宿泊施設において各種情報を提供するためのシステムです。

各客室に設置されているテレビを活用したものが主流であり、テレビリモコンの操作によって必要情報を参照できる、総合案内の機能を果たしています。

広く導入されているものでは、客室テレビに以下のような機能を持たせることができます。

ウェルカムメッセージの表示
BGMの再生
施設内(館内)の設備に関する案内を表示
食事の案内を表示
周辺の観光施設などの案内を表示
テレビチャンネルの一覧表示や選択
宿泊約款・利用規約の表示

上記のような機能による主なメリットとして、ゲスト(宿泊客)への対応にかかる業務を省力化したり、案内のペーパーレス化によって印刷・差し替えなどの業務を削減できることが挙げられます。

多くのシステムでは、既存の客室テレビをそのまま活用し、LANケーブルによってネットワーク接続するかSTB(セットトップボックス)を追加設置することで、これらの機能を実現します。

一部のシステムでは、データ放送の仕組みを用いて、客室内への工事を伴わずに導入できるものもあります。このようなシステムでは、LANケーブルでの接続をしなくても、共聴アンテナの同軸ケーブルを通じて機能を提供できる仕組みとなっています。

ホテルインフォメーションシステムが必要とされる理由

様々な状況変化で、必要性がさらに高まっている

コロナ禍や人材不足などといった周辺環境の変化を受け、次のような対応の必要性が生じています。

客室案内のペーパーレス化
(館内案内、宿泊約款など)
案内対応の省力化
リアルタイムな混雑状況を確認できるように

例えば、より鮮度の高い情報を案内したり、案内事項の更新時において印刷物差し替えの煩わしさを減らしたりする観点から、各種案内をペーパーレス化する必要性は増しています。加えて、新型コロナウィルス感染症の拡大による衛生意識の高まりから、客室備品への衛生面での配慮がより求められる昨今、ペーパーレス化によるメリットはより大きくなっています。

また、「密」を避ける観点から混雑を避けて利用したいゲストのニーズも高まり、レストランをはじめとした館内施設の混雑状況を確認できることも、もはや必須となりつつあります。

タブレット端末ではダメなのか

ここまで挙げたような内容を、タブレット端末で実現しようとする動きもあります。

実際に一部の他業界においては、タブレット端末を通じた注文受付などが広がりつつあります。居酒屋やファミリーレストラン、カラオケボックスなどが、わかりやすい例として認知されています。

しかし、ホテルインフォメーションシステムとしての機能をタブレット端末によって実現するには、次のような課題があります。

各客室内へ、新たな備品設置や工事が必要
デジタルネイティブでないシニア年齢層にとって使いづらい
落としたりぶつけたりされることで、破損するリスクが高い

客室内には、テレビはもちろん様々な備品が設置されていることが多く、設置場所の自由が効かないことも珍しくありません。そのような中で、新たな備品設置とともに配線などの工事をおこなうことは、大きなハードルとなります。

また、特にシニア年齢層のゲストにとって、デジタル機器の操作は決して容易ではなく、機器自体を見るだけで強い抵抗感を受ける方も多くいます。

これに対して、テレビ＋リモコンであれば、年齢層を問わず誰でも抵抗なく使えますし、これは外国人であっても同様です。様々なゲストが来訪し利用する客室においては、タブレット端末よりもテレビの方がより適した選択肢といえるのです。

当社で取り扱っているソリューションについて　〜EAPTS3のご紹介〜

当社では、ホテルインフォメーションシステム「EAPTS3」を取り扱っており、ホテルや旅館など多くの宿泊施設への導入実績があります。もちろん、冒頭でご紹介したような各種案内を表示できる、総合案内システムとして機能します。

EAPTS3は、日本国内の宿泊施設に特化して設計されていることから、多くの施設において容易に導入できる仕組みとなっています。以下に、特徴の一例をご紹介します。

ゲストのニーズに応える表示機能

客室のテレビに、あらゆる情報を表示でき、純正リモコンから簡単に操作できます。表示言語も日本語だけではなく、英語や中国語、韓国語へも標準対応し、オプションでさらに拡張できます。

表示内容の簡単カスタマイズ・編集機能

表示内容は、ウェブブラウザーベースの直感的な管理画面から簡単に編集できます。テキストや画像を変更するだけで、全客室向けの表示内容に反映されます。

シンプルに導入できる

標準構成では、既存のテレビと共聴設備をそのまま活用しますので、客室への機器設置や工事が不要です。客室テレビをLAN接続することで、さらに機能を拡張できます。

さいごに

ホテルや旅館などの宿泊施設にとって、ホテルインフォメーションシステムは、当たり前かつ必須のものとなりつつあります。

ご不明点や気になる点などありましたら、どんなに些細なことでも問題ありませんので、お問合せフォームよりご相談いただけましたら幸いです。