倉庫向けに、高速で高信頼なWi-Fiを構築するための5つのポイント
倉庫にWi-Fi環境を導入するのは、一見すると簡単なことに思えるかもしれませんが、現実にはそう簡単ではありません。
例えば、倉庫のような広いスペースに電波をくまなく行き届かせるには、安定利用するための品質を確保するには、どのようにすればいいのでしょうか。
この記事では、倉庫の生産性や効率を向上すべく、Wi-Fi環境を導入するために注意すべきことについてご説明していきます。
倉庫向けWi-Fiはなぜ重要か
倉庫向けに、なぜ高品質・高信頼なWi-Fiが必要となるのでしょうか。
わかりやすいケースをご紹介します。
1. 倉庫業務の効率化を促進できる
最先端のオートメーションシステムやデジタルピッキングツールには、Wi-Fiによる無線通信を用いるものがあります。
これらを有効に活用することで、対応漏れや作業ミスによるロスを防ぎつつ、1日あたりの処理能力も大きく増強されるので、業務全体が効率化されます。
2. 低品質なWi-Fiは、せっかくの投資を無駄にする
Wi-Fi環境がきちんと設計されておらず低品質な場合、デッドスポット(電波の届かないエリア)を生じたり、電波干渉・輻輳などによる通信品質の低下などを招いたりします。
このような状況では、システムやツールをせっかく導入しても、特定エリアで稼働できなかったり、その調査や解消作業のためにかえって人員を奪われたりすることさえあります。
すなわち、Wi-Fi環境における品質の良し悪しは、業務効率の向上にあたって鍵となりうるのです。
倉庫向けにWi-Fiを導入するには
倉庫向けにWi-Fi環境を導入・改善するには、どのような点を確認すれば良いでしょうか。
代表的なポイントをとして、5つをこれからご紹介していきます。
1. アクセスポイント(AP)を適正に設置・追加する
一般家庭や小規模なオフィスでは、いわゆる無線ルーター(親機)が1台あれば十分かもしれませんが、倉庫のような大きな空間においては、到底カバーしきれません。
そのため、適切な台数のアクセスポイント(AP)を追加する必要があります。
アクセスポイントからの電波が届かない場所では、当然ながら通信できませんので、倉庫内のどこへでも電波が届くように、一定間隔ごとに設置するのが一般的です。
とはいえ、やみくもに増やせばいいというものではありません。数が多すぎたり、設置場所や設定が適正でなかったりすると、電波が干渉してしまい、接続や通信が不安定となるからです。そのため、台数や設置場所などは、専用ツールによる電波調査をおこないながら、適正に設計する必要があります。
また、設置するアクセスポイント自体も、家電量販店の店頭に並んでいるようなコンシューマー向け(家庭用)の製品は使用すべきではありません。プロ向け(業務用)の製品を、環境や用途に合わせて選択することとなります。
2. アクセスポイントを適切な高さに設置する
倉庫において、天井がとても高いことは珍しくありません。
そのような環境下でも、アクセスポイントの設置場所として、天井が選ばれることもあります。障害物による影響を受けにくいなどのメリットもありますが、その一方で、地上付近へ電波が届きにくい・弱くなるなどのデメリットも併せ持ちます。
上述デメリットも踏まえて、天井以外へのアクセスポイントの設置も、可能であれば検討すべきでしょう。
3. アクセスポイントのアンテナ方向を調整する
先ほど、アクセスポイントの設置場所について説明しましたが、電波を出すアンテナについても考慮する必要があります。
アクセスポイントのアンテナには、目的に応じて以下タイプのものがあります。
a. 無指向性アンテナ: 弱い電波を全方向に
その名のとおり、出す電波に指向性がないので、方向を問わず、周囲に電波を拡散させて届けます。
電波の到達先を考慮せずとも設置できる手軽さがメリットで、設置場所の制約が小さい、一般的な家庭向け用途(コンシューマー向け製品)にも広く使われています。
ただし、設置場所の制約が付きまとうような倉庫向けには、もう一つのタイプを用いることで、より効率的な設置とエリアカバーが可能となります。
b. 指向性アンテナ : 強い電波を一定方向に
指向性があり、特定の方向に向けて、電波を集中させて届けます。
無指向性のような手軽さはないものの、出す電波をアンテナの向く方向へ集中させることから、より遠くへも強力に届けられます。
この性質を活かすことで、天井から地上(下方向)に向けたり、各棚の端から各通路に向けるなど、必要なところへより確実に電波を届けることが可能となります。
4. 電波をブロックする要素を考慮する
Wi-Fiの電波は、あらゆる物が障害物となって減衰し、ブロックされやすい性質を持ちます。
このときの障害物について、棚はイメージしやすいかと思われますが、それだけでなく保管される荷物(商品在庫)そのものについても考慮する必要があります。
例えば、衣料品・アパレル商品をメインとして保管するエリアでは、影響を比較的受けにくいでしょう。一方で、家電製品や自動車部品などのように金属を多く含む商品を保管するエリアでは、影響を受けやすくなります。
5. 屋外も忘れずに
Wi-Fiのカバーすべきエリアは、屋内だけとは限りません。多くの場合は、屋外もカバーすべきです。
例えば、フォークリフトや車両が屋内外を行き来したり、従業員が屋外で入庫などの作業をおこなったりするような場合、必然的に屋外でもWi-Fiが必要になるでしょう。
屋外向けにWi-Fi環境を提供するには、屋内向けとは異なるタイプのアクセスポイントや、設置ノウハウが必要となります。
まとめ:信頼度の高いWi-Fiが、DXによる投資効果を最大化!
ここまでご説明しましたように、倉庫向けにWi-Fi環境を構築するためには、様々なポイントについて注意する必要があります。
Wi-Fi環境を疎かにしてしまうと、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代を見据えた生産性向上のソリューションをせっかく導入しても、それらの投資効果を無駄にすることとなりかねません。
Wi-Fi環境の構築を専門業社などへ依頼する場合にも、この記事で挙げたポイントについては必ず確認するようにしましょう。
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