2024年にECを取り巻く5つのトレンド

オンラインでの買い物が当たり前となった今、ECの展開は小売業界にとってもはや避けることのできない選択肢となっていますが、ECを取り巻く状況は目まぐるしく変化しています。

この記事では、ECで売上向上を図っていくにあたって押さえておきたい2024年のトレンドについて、代表的な5つを取り上げてご説明します。

トレンド1. AI活用による小売のパーソナライゼーションがますます活用される

同一の買い物客が2人いるわけでもないのに、全員が同一内容のWebサイトを見なければならない理由など、どこにあるのでしょうか。

Accentureの調査によると、ブランドが関連オファーやレコメンデーションを提示してくれる場合では、顧客のうち91%において購買意欲が増すという結果が出ています。

AIを活用したパーソナライゼーションエンジンをECサイト上で用いると、顧客のあらゆる好み・意図に応じて、最適にカスタマイズされたカタログ内容を顧客ごとに提示できます。これによって顧客は、全員向けの同一内容でなく、「自分向け」の内容を見られるようになります。

このような「1:1での買い物体験」を実現するパーソナライゼーションでは、リアルタイムデータや履歴データを高度に活用します。例えば、顧客がギフトや特別な機会のために「いつもと違う」買い物をしようとしている場合でも、適切な商品適切な顧客適したタイミングで提示できます。

当社で提供している「ECサイト向けAIソリューション」では、顧客を離脱させずに没入させる、パーソナライズされたカスタマージャーニーを簡単に構築できます。ご興味のある方・デモご希望の方は、ぜひご相談ください。

トレンド2. グリーン消費主義でサステナビリティーへの注目が高まる

Amazonが「2040年までに二酸化炭素の排出量をゼロにする」と宣言していることを、ご存知でしょうか。

昨今ではグリーン消費主義の高まりを受けて、環境に優しい方法で製造された製品を求めるニーズも年々強まっており、環境保護の気運にも繋がっています。

Harvard Business Reviewがおこなった調査によると、消費者の65%が、サステナビリティーを推進するブランドの商品を好んで購入する傾向にあります。グリーン消費主義への注目はECブランドにとって、サステナビリティーへの姿勢を消費者にアピールする強力な動機となっています。

アメリカ発の「ThreadUp(スレッドアップ)」のようなリセールECは、サステナビリティーにもマッチしたビジネスモデルですが、5兆ドルの市場になる可能性があるとも言われており、デジタル化はその重要な部分となります。

トレンド3. 製品のカスタマイズが当たり前に

消費者はSNSによって、ECや小売の最前線に立つようになりました。もはや、消費者が何を欲しいか・何が好みかを決めるのは、ブランドではなく消費者自身です。

デロイトの調査では、消費者の36%がカスタマイズされた製品を望むという結果が明らかになっていますが、個性の重視される気運の高まった昨今では、決して驚くべき結果ではありません。そして、自分専用にカスタマイズされた商品を買うために20%多く支払うことを、顧客の5人に1人が許容します。それだけでなく、パーソナライズされた製品やサービスのためなら、顧客の48%は待つことにも寛容です。このように、カスタマイズへの対応が重要なのは、明らかです。

カスタマイズの有名な例として、ナイキの「Nike By You」があげられます。このサービスでは、ナイキのスニーカーやウェアなどの独自バージョンを顧客自身でデザインでき、カスタマイズの分野で大きな成功を収めています。

このように、完全にカスタマイズされた製品やサービスを提案することで、ECを「顧客が主導権を握る」新しい体験に変え、さらにリピートしてもらえるようになるのです。

ナイキ公式サイトの「NIKE By You」でスニーカーをカスタマイズする様子
ナイキ公式サイトの「NIKE By You」でスニーカーをカスタマイズする様子

トレンド4. 柔軟な支払いがビジネス収益に影響を与える

ECにおいて支払いの柔軟性は、顧客体験の重要な差別化要素となります。

顧客維持率を高めるには、特にモバイル上で、顧客の希望する方法で決済できることが不可欠です。国境を越えた商取引が飛躍的に成長する中では、なおさら決定的なものとなっています。

2024年には、より包括的なタイプの支払い方法が出現することも予想されます。これは、顧客体験が重要視されていることと、キャッシュレス決済が当たり前になったことによる結果と言えます。

トレンド5. ただ販売するだけでなく、提案型の販売が重要

アップセルやバンドル販売は、購買を促進するための古くからある手法ですが、それには十分な理由があります。カートにより多くの商品を入れさせて平均注文額を増やすために、最も効果的な方法の一つだからです。しかし、有能な販売員が顧客の好みを読める実店舗とは異なり、ECにとっては大きな課題なのです。

ECにとっての解決策は、AIを活用して、まずは顧客の好みを理解することです。そうすることで、顧客にとって好みのスタイルに沿ったおすすめ商品を、横断的に提示できます。

当社で提供している「ECサイト向けAIソリューション」では、顧客ごとにパーソナライズされた、おすすめ商品が横断的に提示されるリッチな製品ページを作成でき、大規模なマーチャンダイジングも容易に実現できます。ご興味のある方・デモご希望の方は、ぜひご相談ください。

まとめ

変化の目まぐるしいECでは、販売方法などの多様化も進んでおり、今後もさらに変化し続けることが予想されます。

中でも、顧客体験の向上は大きなテーマとなっており、実現する手段としてAIソリューションも必要不可欠になりつつあります。

ECを取り巻くトレンドを正しく把握し、本当の意味で顧客の要望に応えられることが、ECで成功していくための要です。

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