Signiant 対 MASV 【大容量ファイル転送ツール比較 その2】
大容量ファイルやデータの転送は、エンターテイメントをはじめ各業界で不可欠であり、このニーズに応える製品・サービスもいくつか存在しています。
前回(第1弾)の記事では、比較されることの多いSigniant(シグニアント)とIBM Aspera(アスペラ)について、それぞれの特徴と利点をご紹介しました。
この記事では第2弾として、SigniantとMASV(マッシブ)を比較していきます。
主な機能の比較
「MASV」(マッシブ)は、カナダに本拠地を置く企業が提供するクラウド型の大容量ファイル高速転送サービスであり、Signiantと同様に世界中の動画制作の現場で利用されています。
まずは、主な機能を比較して見ていきましょう。
価格面の比較
Signiant(シグニアント)
サブスクリプションになっていることで、大小さまざまな規模の企業においても容易に利用できます。
オンプレミスのストレージに接続する場合、転送は無制限で、ファイルサイズや帯域幅の制限もありません。クラウドストレージを使用する場合でも、十分な許容量が含まれています。
MASV(マッシブ)
MASVの価格設定は、1GBあたりの転送料金に基づいており、小規模なプロジェクトや一度きりの場合の利用に向いています。
ただし、大きなメディアアセットや長期プロジェクトにおける作業では、これらの料金が急速に膨らんでしまう可能性もあり、利用するボリュームに応じて注意が必要です。
エンタープライズ・グレード(企業導入時の前提)
Signiant(シグニアント)
Signiantのソフトウェアは、ビジネスの成長に合わせてスケーリングできるように設計されています。そして、ファイル移動に関与するすべてのレイヤーを安全に保護するため、セキュリティーのテクノロジーと実装は定期的に第三者による詳細なレビューを受けています。
加えて、同社のMedia Shuttleでは委任管理の機能が提供しており、各ポータルにおける独自の管理者設定や、ユーザーの追加と削除、ポータルのカスタマイズ、およびすべてのアクティビティのレポートを簡単におこなえます。これにより、チームやプロジェクト、場所間でソリューションを容易にスケーリングおよび管理できます。
MASV(マッシブ)
MASVは小規模なビジネスで使用されることが多く、大企業やスタジオ、放送局、スポーツリーグなどのような大規模用途においては、検討が必要です。
ストレージの比較
Signiant(シグニアント)
Signiantはストレージの独立性を重視しており、ファイルが物理的に保存されている場所に関係なく、オンプレミスまたはクラウド上でもコンテンツは常に100%お客様の管理下にあります。
ストレージをバンドル販売したり再販したりせず、追加料金なしで任意の数のストレージエンドポイントに接続できるため、どこからでも簡単かつ安全にファイルへのアクセスが可能です。
MASV(マッシブ)
MASVでは、同社の提供するストレージが標準バンドルされます。一方で、オンプレミスのストレージはサポートされません。
ほとんどのメディア企業では、複数拠点のストレージにファイルを保持するケースが多く、それらを自社の管理下に置くというニーズが強いことから、導入の際には確認が必要です。
まとめ
SigniantとMASVは、いずれも大容量ファイルの転送に特化したサービスですが、それぞれに異なる特徴と利点があります。
価格面は、Signiantはサブスクリプションベース、MASVは1GBあたりの従量ベースです。後者の課金体系は、小規模プロジェクトや都度利用に向く一方で、大規模・長期プロジェクトでは費用が急速に膨らみやすいデメリットがあります。
企業導入を前提とする場合には、Signiantは小〜大規模でのセキュアな利用を想定した設計である一方で、MASVは小規模ビジネスで多く利用される傾向にあります。大規模なビジネス・スタジオでの利用にあたっては、豊富な実績を有するソリューションを検討すべきです。
ストレージ面は、Signiantでは独立性重視で顧客による管理が可能、MASVでは手軽さ重視のバンドルストレージがベースです。ストレージをオンプレミス運用または自社管理する必要がある場合には、顧客による管理が可能かどうか、確認する必要があります。
自社ビジネスのスケーラビリティーや今後の成長を見据えて、環境やニーズに合わせた最適なファイル転送サービスを選択することが重要です。
当社では、Signiant社が提供するMedia Shuttleのコア技術を採用した大容量ファイル高速配送サービス「ブロードメディア® CDN ストーク」を提供しています。
ファイル形式や容量を問わず、フォルダのまま、セキュアかつ高速にデータを送信することが可能です。豊富な導入実績で、利用ユーザーは世界190ヶ国にまたがり、50万人を超えるグローバルユーザーと2.5万以上の企業を繋げています。
メディアなど各種ファイルの運用でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
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