動画などの大容量ファイルを運用する際の懸念点とは【HDDでの運用は限界?】
情報のデジタル化が加速している今、ビジネスシーンで扱うファイルデータの量は日々増加しており、ファイルやデータ自体の容量も大きくなってきています。
特に動画などのメディアファイルは、容量が大きいだけでなく、取り扱いにおいてもセキュリティや納期について厳しく設定されていることが、多いのではないでしょうか?
そのような大容量ファイルのやり取りに、現在もハードディスク(HDD)を利用するケースも少なくありません。しかしそこには、安全な運用を脅かす、いくつかのリスクが存在しています。
この記事では、HDD運用の懸念点を改めて見ていくとともに、インターネットを通じたファイル転送サービスへ置き換えることによる利点について、説明していきます。
ファイル転送サービスへの置き換え・移行によるメリット
HDDでの物理的な輸送について、ファイル転送サービスで置き換えることによって、次のようなメリットが生じます。
- 高速化、より早くに送れる
- 信頼性が高まる
- セキュリティの向上
- データの流れを制御・把握しやすくなる
- 顧客体験の向上
HDDなどの物理メディアを使用している場合には、輸送からデータ取り出しまでに時間がかかることは、言うまでもありません。加えて、HDDは破損しやすく、破損時には再輸送が必要となるなど、前述の利点が大きな欠点に変わるリスクがあります。
インターネットを通じたファイル転送は、今でも一般的に使用されていますが、その必要性と利点はますます認知されてきています。
メディア業界のビジネスモデルおよびワークフローは、急速に変化しており、数年前までは理にかなっていた物理メディアでの運用も、スピードやセキュリティ、コストなどの面でも認識を再検討する時が来ています。
速度の違い:HDDでのやり取りには時間がかかる
例えば、3台のカメラで8時間撮影するだけでも、動画ファイルの容量は通常800GB以上にも及びます。メディア業界では、このように日々テラバイト単位のデータを生成し、その素材を取引先と迅速にやり取りしなければなりません。そして貴重な時間の多くは、撮影が終了するのを待って、輸送用のデバイス(HDDなど)へコピーすることに費やされています。
大きな動画ファイルは、HDDなどの可搬型ディスクにコピーするのに時間がかかります。素材を作成した側だけでなく、受取側の業者や顧客も等しく時間を要するのですが、納期にその時間までは考慮されていません。さらにコロナ禍の影響による配送の遅延や、通関(税関手続き)やフライトなども、考慮する必要があります。
一方、最新の高速ファイル転送ツールを使用すれば、これらの課題の多くは解消できます。世界中のパートナーや制作チームがファイルをすばやく利用できるようになりますし、撮影が完了する前にファイルを送信することも可能です。
セキュリティにおける不安:HDDでは追跡管理できない
セキュリティ面に関して、物理メディアでもこれまではうまく機能していたように思えますが、状況が変わらないとそれがどれほど不安定な立場にあるのかを理解することは容易ではありません。もしあなたがそのデータを必要としたとき、物理メディアのバックアップや災害復旧モデルが持続可能ではないことに気付いたとしたら、どうでしょうか・・・?
また、物理メディアが配送会社の手に渡ったあとは、それらがどこにあるのか、誰がアクセスできるのかを把握・制御することはできません。そして盗難や破損の犠牲になった場合、それは自社の評判と制作への影響、ライセンサーなどへの損害に加えて、プロセスを最初からやり直すことを意味します。
ある種の手動チェック(悪用や物理破損の可能性があります) を除けば、物理メディアを介した管理には、追跡する方法がありません。もしもディスクが悪意のある人の手に渡った場合でも、それを知る方法はないのです。
運用コストはお金と時間を踏まえて考える
年間あたり何台のHDDを購入し続けていますか?故障したり、返品されなかったりするものはどれくらいありますか?
特定のパートナーに送信する場合は、物理メディアでも問題ない場合があります。しかしパートナーが多数に渡る場合、そのファイルを何度もコピーして、一連の物理メディアを動作させ続けなければなりません。それによってどのくらいの時間が失われるでしょうか?
確かに、ファイルを一度にすべてのパートナーへ同時配送することは、理にかなっているかもしれません。しかし同時に、配送料の負担が生じていることも、忘れてはいけないポイントです。
そしてそのような運用を続けることは、「パートナーに対しても同様の負担をさせている」ということを意味しています。
海外とのやり取りに関する問題点
ファイルを国内外の地域に配信する必要がある場合には、各地域でローカライズする可能性があります。しかし物理メディアの運用では、時間、コスト、およびローカライズにおけるワークフロー追跡の点で、大きな課題になり得ます。
ローカリゼーションチームがグローバルに分散(世界の地域ごとに異なるグループ)している場合、多くのドライブを送信する必要があります。もし多数のバージョンがある場合、そのドライブを送付する手間とコストを想像してみてください。
オンラインでファイル転送した場合、相手側のすべてのユーザーに対して完全なアクセス制御を備えた単一のトランザクションが可能になり、ファイルを必要とするすべてのプロバイダーが一度にファイルを利用できるようになります。
さいごに
物理メディアでのやり取りが、取引先との関係や業界として慣例化している場合もあるかもしれません。しかし、コストやセキュリティ、信頼性を考えると、高速ファイル転送サービスの利用を検討するときが来ているのではないでしょうか。
それは結果的に、パートナーとのより円滑なビジネスを育み、克服すべき摩擦も少なくなります。
現代のビジネスがインターネットなしでは運営できないように、メディア企業にとって大容量ファイルの転送ソリューションは、必要不可欠になっていきます。
ファイルサイズを問わず、どんなに地理的に離れていても、速度と安全性を確保して簡単に転送できるファイル転送サービスの導入をぜひ検討してみてはいかがでしょうか?
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