FTPによる大容量ファイル転送の落とし穴とは?〜FTP運用はなぜ問題なのか〜
インターネット上で一般的なファイルを共有する方法には、多くの選択肢があります。しかし、大容量なファイルの共有・転送となると、選択肢は少数です。
その中でも、多く利用されているのがFTPでしたが、今日のメディアやその他のデータ集約型企業のニーズに対応するためには、多くの要件を欠いています。しかしそれでも、FTPは多くのファイル転送ソリューションの基盤技術として、現在でも広く利用されています。
なぜFTPは、未だに多くのビジネスで使われているのでしょうか?
今回は、改めてFTPの特徴を整理するとともに、大容量メディアファイル転送にFTPを用いる際の落とし穴・問題点について説明します。
今日のファイル運用とFTP
FTP(File Transfer Protocol、ファイル転送プロトコル)は、1971年に開発された通信プロトコルの一種で、クライアントとサーバー間でファイル転送のやり取りをおこないます。
オープンプロトコルであり、使用には直接料金がかからないこともあって、長きにわたり、多くの企業やユーザーが慣れ親しんで使用してきました。
しかし近年では、ファイルのサイズがどんどん大きくなり、より長い距離で頻繁に利用されるようになってきました。そして、セキュリティーがますます重要になるにつれて、今日の複雑なグローバルなメディアワークフローに、FTPは不適切な技術になってきています。
FTPの問題点 その1:配信速度の遅さ
FTPには、アクセラレーション(高速化)の技術が組み込まれていません。
メディア業界では、30~50GBまたはそれ以上のファイルの転送が一般的ですが、FTPにおいて長距離間でファイル転送するには、膨大な時間がかかります。
遅延やパケットロスは、小さなファイルを転送するときには、ほとんど気にならないかもしれません。しかし、長距離であったり混雑したネットワークで大きなファイルを転送するときには、その影響による差は、数時間から数日に及ぶこともあります。
FTP単体では、標準的なIPネットワークでの、これらの一般的な問題に対処することはできません。
FTPの問題点 その2:セキュリティー面での不安
FTPの標準機能だけでは、セキュアなファイル転送はおこなえず、クライアントとサーバー間のファイル転送のやり取りは暗号化されません。FTPによるファイル転送を安全に完了させることは可能ですが、スクリプトによるカスタマイズやセキュリティーソフトウェアが必要で、継続的なメンテナンスやリソースも必要になります。
実際、2017年にHBOやNetflix、ディズニーで発生した情報漏洩は、サードパーティーのポストプロダクション会社の使用するFTPが、クラッカー(悪意あるハッカー)によって悪用されたことが原因と言われています。
その結果、現在では多くの一流メディア企業が、セキュリティーホールを塞ぐための対策として、FTPを禁止しています。
FTPの問題点 その3:現在のファイル運用とのギャップ
ファイルのサイズが拡大し続け、メディアチャネルは多様化し、ビジネスもよりグローバル化しています。そして、メディアのサプライチェーン全体が相互に接続されるようになるにつれ、既存のFTP技術とビジネスのニーズとの間のギャップは、拡大する一方です。
またFTPソリューションでは、転送アクティビティーを理解するためのログファイル解析に、IT リソースが必要となります。IT担当者がスクリプトを書いたりレガシーなソフトウェアを導入して、通知やレポートを実現するという手もありますが、最新のソリューションが通常備えているような基本的な機能が、そもそもFTPには欠けています。
さいごに【FTPの運用から脱却するには】
FTPでは、現代のグローバルなメディアの供給に追いつくことができません。
一流企業であろうと小規模な新興企業であろうと、今日のメディアビジネスでは、次世代の高速処理を可能とするソフトウェアが必要です。
当社では、Signiant社が提供するMedia Shuttleのコア技術を採用した大容量ファイル高速配送サービス「ブロードメディア® CDN ストーク」を提供しています。
ファイル形式や容量を問わず、フォルダーのまま、セキュアかつ高速にデータを送信・共有することが可能です。豊富な導入実績で、利用ユーザーは世界190ヶ国にまたがり、50万人を超えるグローバルユーザーと2.5万以上の企業を繋げています。
導入は簡単で、お客様の環境下で簡単にお試しいただくことも可能です。また、シンプルな価格設定で、あらゆる規模のお客様に対応しています。
旧式のFTPシステムのリプレースや、ファイル運用についてお困りの際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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