CMオンライン 送受信サーバーのクラウド化とは【より速く!確実に!】

2017年から始まったテレビCM素材のオンライン運用は、今年で5年目を迎えます。

HDCAMテープで物理輸送していた時と比較して、素材の納品は飛躍的に便利で速くなりました。その一方で、運用が進むにつれて、少しばかりリスクも見えてきました。

そういったリスクを回避するとともに、より速く確実に素材を送稿するため、送稿システムのアップデートが予定されています。

そこで今回は、今後システムがどう変わるのかについて、見ていきたいと思います。

現状の送稿システムにおけるリスクとは?

テレビCMオンライン送稿の仕組みを、改めて見てみましょう。

素材搬入事業者へアップロードされた素材ファイルは、全国の放送局に置かれているサーバー(送受信サーバー)まで、ネットワーク回線を通じて送られます。

そして、この送受信サーバーに届いた素材を、各放送局がそれぞれ自社のCMバンクへ取り込む方法を取っています。

CMのオンライン送稿/これまでの送受信の仕組み

通常運用している分には、特に問題はなく、これまでに大きなトラブルも起きてはいません。

しかし、送受信サーバーを各放送局に設置しているということは、送受信サーバーにトラブルが起きた際に、メンテナンス・保守の対応に追われることになります。

もちろん、回線事業者が常に現地へ駆けつける準備を整えていますが、130局を超える民放局に機材を置いていることを考えると、その対応コストはどうしても高くなってしまいます。

また、もうひとつの問題点は、送稿にかかる時間です。

現在の方式ですと、素材事業者の搬入サーバーから各放送局にそれぞれ素材を送稿する形になります。全国OA予定のテレビCMなどのようなケースですと、同じ素材を100局以上に送ることとなり、オンライン送稿であっても30分以上かかってしまう可能性があります。

これから:送受信サーバーのクラウド化で、リスク回避&品質向上

こういった問題を解決するため、今後送稿システムのアップデートを進めていきます。

具体的には、送受信サーバーを各放送局ではなく、クラウド上に置く形に変更します。そして、このクラウド上の送受信サーバーを通じて、各局のCMバンクへ素材が取り込まれます。

CMのオンライン送稿/クラウドされてからの送受信の仕組み

これによって、以下のようなメリットが生まれます。

  • 送受信サーバーのメンテナンス・保守が、一元化されてシンプルに
  • 放送局に設置される機材が減り、トラブル時の放送局の対応も軽減
  • セキュリティーも向上
  • 素材搬入事業者からの素材送信先が1ヶ所に集約され、送信時間がより速く

なお、この改良については、すでに一部の放送局から始められています。

全ての放送局が対応するまでにはまだ時間がかかりますが、今後順次移行していく予定となっています。

テレビCMオンライン運用は、より安定して確実な運用・効率化を推し進めていますので、ぜひ安心してご利用いただければと思います。

CMのオンライン送稿/クラウドを活用する人たちのイメージ

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動画による説明

テレビCM素材の放送局への搬入時間について、「メディア搬入」と「オンライン搬入」ではどのくらい差があるのでしょうか?具体例も含めて、動画でご紹介しています。

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