字幕付きテレビCMの制作に必要なものとは?【本格始動】

「字幕付きCM普及推進協議会」(字幕CM協議会)が2022年8月1日に、字幕付きCM普及推進ロードマップの最終ステップ(ステップ4)への移行方針を決定したことについて、報道がありました。

報道時点では「ステップ3」の段階であり、全国ネットワーク系列局+系列BS 5局において、ネットタイム枠・ローカルタイム枠で受け入れを実施しています。2022年10月1日からはこれにスポット枠が追加され、すべての放送枠(ネットタイム枠・ローカルタイム枠・スポット枠)で字幕付きテレビCMの受け入れが開始されることになります。

今まさに本格始動している字幕付きテレビCMですが、実際の制作にあたって何が必要なのでしょうか?

この記事では、以下3点を中心にご説明します。

  1. 現在の利用状況と今後のスケジュール
  2. 字幕付きCM制作時に必要なもの
  3. OAまでにかかる制作期間

テレビCMのオンライン送稿/

1. 字幕付きテレビCMにおける、現在の利用状況と今後のスケジュール

まず、「字幕付きテレビCM」について簡単におさらいします。

字幕付きテレビCMは、文字どおり「音声を文字化し、画面に表示したテレビCM」のことで、画面上に表示される字幕(クローズドキャプション)が付与されています。映像にあらかじめ埋め込まれた字幕(スーパー、テロップ)とは違い、リモコンの字幕ボタンをオンオフすることで、表示有無の切替が可能です。

テレビ番組では、9割以上の番組で字幕が付与されておりますので、見たことがある方も多いのではないでしょうか。

聴力に不安のある方や聴覚に障害がある方など、数千万人と言われる難聴視聴者の方々に対して、正確に情報を伝えるための有効な手段となっています。今後、高齢化が進む中で、重要性はますます増していくと考えられています。

続いて、業界における字幕付きテレビCMの対応スケジュールがこちらです。

テレビCMのオンライン送稿/字幕付きCMの放送局における対応スケジュール

2021年7月より全国の民放局でOAが可能になって以降、弊社にも字幕付きテレビCMのご依頼や問い合わせが、継続的に多く寄せられています。

2022年10月には、ついにスポット枠でも対応が開始される予定となっており、ほぼ全てのCM枠において字幕付きテレビCMのOAが可能となります。

これにより、字幕付与比率の向上も期待され、普及は今後さらに加速していくものと思われます。

2. 字幕付きテレビCMの、制作時に必要なもの

では実際に、字幕付きテレビCMを制作する際に必要なものとして、どのようなものが挙げられるでしょうか?

主な3つについてご説明します。

1. 字幕無しの原版データ (ProRes422HQ or HDCAM)

2. 作品内での音声内容が把握出来る資料 (カット表など)

字幕を制作するにあたり、作品内の音声内容が把握できる資料および、字幕素材用のCM10桁コードと素材名が必要です。

通常のCMオンライン送稿用の素材の場合、原版ファイルをいただければ、基本的にそのまま後工程作業を実施する流れとなります。字幕を制作する場合には、原版ファイルに加えて、カット表をご提出いただく必要があります。

これは、字幕化する言葉が音声だけでは不明瞭で判断しづらいことなどもあり、制作の意図した言葉を正確に字幕化するために利用されます。

3. 字幕素材用CM10桁コード/字幕素材用CM素材名

10桁コードは、字幕CM素材でひとつ必要になります。

間違えやすいポイントとして、字幕のない素材と合わせて2パターン制作する際には、10桁コードも2つに分ける必要があります。

以上に挙げた3点をご用意いただければ、字幕付きCMの制作を始めることができます。

3. 字幕付きテレビCMの、制作にはどれだけ時間がかかる?

次に、制作にかかる時間ですが、こちらの図で必要な作業フローとかかる期間・日数をまとめています。

テレビCMのオンライン送稿/字幕付きCM制作の所要日数

弊社が作業する場合、原版データ受領から考査用のMP4ファイルをお渡しできるまで、3日から5営業日お時間をいただいております。

また、そこから放送局への考査やクライアントへのご確認は、広告会社様に対応していただくことになります。

放送局の考査期間は、局ごとに異なりますが、弊社の経験上では、1週間程度かかるものとご認識ください。

そして考査が完了した後、オンライン送稿用に作成したMXFファイルを1営業日ほどで、オンライン送稿システムへアップロードします。

このように、作業時間と合わせて確認に要する時間を考慮すると、全体で2週間程度の日数がかかると考えておくと安心でしょう。目安となりますが、制作時のご参考にしていただければと思います。

さいごに:字幕付きテレビCMの普及を見据えて、早期の運用を視野に

字幕制作は、通常のテレビCM制作と比較すると、時間や費用が掛かってしまうなど、一見するとデメリットに感じられるかもしれません。しかし、難聴視聴者が正しい情報を取得できるように業界全体で取り組んでいる、社会的意義のある施策です。

また字幕付きテレビCMに対応することは、商品詳細の認知度アップや企業のCSR対応にも繋がると考えられており、有効なマーケティングツールであることが、字幕CM協議会でも検証されています。

字幕付きテレビCMの導入されやすい環境が整い、当たり前のように放送される日も、そう遠くはありません。

その日のために、今から運用を視野に入れておくことが必要なのではないでしょうか。

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動画による説明

全国の放送局にて対応が開始された字幕付きテレビCMについて、制作に必要なものや所要日数、ロードマップなどについて、動画でご説明しています。

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