MFT(Managed File Transfer)とは? 〜FTPに代わる大容量データの安全・確実なファイル転送基盤〜

数十GB〜数百GBのファイルを取引先に送ろうとして、「容量オーバーで送れない」と弾かれた──。やむなくファイルを分割して無料ストレージにアップロードしつつ、最終的にはHDDに書き込んで宅配便で送る──。

大容量データのやり取りは、今もこうした「その場しのぎ」で回している現場が少なくありません。しかし、扱うデータが重要であればあるほど、このような方法にはセキュリティーと確実性の面で見過ごせないリスクが潜んでいます。

この記事では、企業のデータ転送基盤として広がる「MFT(Managed File Transfer)」とは何か、なぜ今必要とされるのかを、データ転送の見直しの判断基準とあわせて整理します。

MFTとFTPの基本 〜そもそも何が違うのか?〜

まずは、MFTとFTPの違いを理解する必要がありますので、それぞれについて押さえておきたいポイントをご説明します。

MFTとは

MFT(Managed File Transfer)とは、組織内外でのファイル転送を、セキュリティーと管理機能を備えたしくみで安全・確実におこなうための技術・サービスの総称です。

単にファイルを送るだけでなく、「誰が・いつ・どのファイルを・どこへ送ったか」を記録・管理しながら、大容量のデータを暗号化して確実に届けられる点が特徴です。転送データの暗号化、転送履歴・監査ログの記録、転送失敗時の自動再開、アクセス権限の管理、大容量ファイルの転送自動化などといった機能を備えており、「送って終わり」ではなく、転送のプロセス全体を可視化・制御できます。

FTPとは

一方のFTP(File Transfer Protocol)は、コンピューター間でファイルを送受信するための古くからある通信規格です。

1970年代に生まれ、1990年代に広く普及しました。シンプルで手軽に使える反面、「ファイルを送る」こと自体に主眼が置かれており、通信の暗号化や、誰がいつ何を送ったかの記録といった管理機能は標準では備わっていません。当時想定されていなかった数十GB級の大容量データや、セキュリティー・監査が求められる現在の業務用途では、さまざまな面で力不足になってきています。

MFTは、こうしたFTPの弱点を補い、現在の業務要件に応えるために生まれた仕組みだと言えます。

「今まで困っていない」が崩れる瞬間とは?

多くの企業が大容量ファイルの送受信に使っているのは、FTP、無料のファイル共有サービス、メール添付といった手段です。手軽ですが、共通する弱点があります。「送信後の状況が分からない」という点です。

たとえば、こういった場面に心当たりはないでしょうか。

  • 送ったファイルが相手に届いたか確認できず、電話で問い合わせた
  • 誰が、いつ、どのファイルにアクセスしたか、記録が残っていない
  • 転送が途中で止まり、また最初からやり直しになった
  • 容量制限に引っかかり、結局HDDに書き込んで宅配便で送った

機密情報や顧客データ、著作権で保護されたコンテンツを扱う場合、「届いたか分からない」「記録が残らない」は重大なリスクになります。

FTPや汎用ツールが「今のデータ規模」に追いつかない理由

先に触れたとおり、FTPはそもそも大容量データを日常的に転送する用途を想定して設計されていません。ここでは、FTPや無料の汎用ツールが今のデータ規模に追いつかない理由を、MFTとの違いという観点から3つに整理します。

1. 速度と安定性

FTPはネットワーク帯域を効率よく使えない構造で、特に長距離通信では、遅延やパケットロスの影響を受けやすくなります。海外拠点との転送では、実測速度が大きく落ちることも珍しくありません。転送が途中で切れてしまうと、安定して自動再開するような運用も簡単ではありません。

2. セキュリティー

FTPでは通信の暗号化がデフォルトではなく、機密データの漏洩リスクを十分に抑えられません。

無料のクラウドストレージも、エンタープライズ要件としてのセキュリティーやアクセス管理については別途考慮が必要です。GDPRや個人情報保護法など、データ取り扱いの規制が厳しくなる中で、「誰が、いつ、何をダウンロードしたか」の証跡を残せないのは大きな弱点です。

3. 管理コスト

複数のプロジェクトや取引先が並行する状況では、誰がいつ何を送ったかを把握するだけで手間がかかります。

転送ログの管理、受信確認、バージョンの整合をFTPで担うには、独自の仕組みを別途用意するしかありません。FTPそのものは無料でも、安全に運用するための管理ツールの導入、アクセス管理やログ監視の仕組み、サーバーの維持といった周辺コストまで含めると、決して「安い」とは言い切れないのが実態です。

転送手段を見直す際に確認しておきたい3つの判断軸

ファイル転送の見直しを検討する際は、次の3点を軸にするとシンプルに整理できます。

1. 重要データを安全に扱えるか

  • 通信が暗号化されているか
  • データがどのサーバーに置かれるか(クラウドサービスか、自社管理環境か)

2. 大容量・長距離転送でも安定しているか

  • 長距離通信で速度が極端に落ちないか
  • 転送が途中で止まっても自動で再開できるか(レジューム機能)

3. 運用・管理の手間を減らせるか

  • 誰が、いつ、何をダウンロードしたかの記録が自動で残り、安全に運用するための管理工数・コストが抑えられるか

この3点で既存の手段を評価すると、

  • FTP:
    セキュリティーや安定性・運用管理コストの負担
  • 無料クラウドストレージ:
    エンタープライズに相応しいセキュリティー
  • HDD輸送:
    スピードとリモート対応

などの観点で、それぞれ課題が残ります。

マネージドファイル転送サービス「ストーク」を判断軸で見る

上記の判断基準で整理すると、選択肢のひとつとして浮かび上がるのが、弊社の大容量ファイル配信サービス「Broadmedia CDN ストーク」です。

3つの判断軸から見るストークの特徴

判断軸 ストークの対応
重要データの安全性 AES256暗号化に標準対応。データは自社管理のサーバー・ストレージに保存されるため、第三者管理のサーバーに機密ファイルを置く必要がありません。
大容量・長距離転送の安定性 特許技術によりネットワーク帯域を最大限に活用した高速転送を実現。転送が中断しても自動再開するレジューム機能を備え、「送ったはずなのに届いていない」を防ぎます。
運用・管理の効率化 転送履歴やアクセス状況を記録・管理でき、「誰が・いつ・どのファイルをやり取りしたか」を把握可能。受信確認や転送状況の確認も容易になり、日常的な運用・管理の手間を削減します。

さまざまな業種での活用シーン

シーン 詳細
取引先との大容量データ受け渡し 設計データ、映像素材、データセットなど、数十GB級はもちろん、数百GB級のファイルまで国内外の取引先と高速・セキュアにやり取りできます。
拠点間・リモートでのデータ共有 遠隔地の拠点やリモートワーク環境とも、暗号化された状態で安定して転送。ネットワークが不安定でもレジューム機能で確実に届きます。
機密性の高い資料の配信 公開前の資料や契約データなどを、暗号化したまま関係者へ配信。アクセス権限の管理で、誰が受け取れるかを制御できます。

まとめ:その場しのぎを、業務基盤に変える

MFTは、大容量データを「安全に・確実に・記録を残して」やり取りするための業務基盤です。扱うデータが大きくなり、セキュリティー要件も厳しくなる今、その場しのぎのファイル転送はリスクと隣り合わせになっています。

まずは自社で、

  • どのようなデータを
  • どれくらいの頻度で
  • 誰とやり取りしているか

を整理してみてください。容量・セキュリティー・記録のいずれかに不安があれば、現状の転送手段について改めて、3つの判断軸で見直すべき段階にきています。

現在のファイル転送方法に少しでもご不便・不安がある場合は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

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