映画館のTMS・POS連携でできることとは【重複削減や自動化で運営効率化】

映画館の運営において、今や欠かせないPOS(Point of Sale、販売時点情報管理)システム。

チケットの予約・販売管理から、精算、パンフレット等の物販、コンセッションの在庫管理まで、その役割は多岐に渡ります。

また同様に、映画館にとって欠かせないシステムとなっているのが、映画の上映を管理するTMS(Theater Management System、劇場管理システム)です。TMSの登場により、劇場運営は劇的に効率化しました。

これら2つのシステムには、共通して取り扱っている情報があることにお気づきでしょうか?

今回は、POSシステムとTMSが連携することで起こる変化について、ご説明します。

複数システムへの入力業務による二度手間

劇場運営の中でも、システムへの情報の入力作業は、日々おこなわれている業務のひとつです。

現場のスタッフは、POSシステムやTMSに、それぞれ必要な情報を入力しています。しかし実は、TMSとPOSシステムで取り扱ったり保持している情報には、共通していたり活用できたりする情報があります。

例えば、TMSで取り扱う「作品名」と「上映スケジュール」の情報は、チケットカウンター上部のモニターや、映画館の入るショッピングモール内のサイネージなどで掲示される情報でもあります。

同じ情報を様々なシステムに何度も入力する手間は、スタッフの貴重な時間を奪うことはもちろん、現場の疲弊を生むことで人為的なミスにも繋がる可能性があり、運営を続けていく中では解消すべきポイントです。

データ管理を一元化して二度手間を削減!

そこで考えられたのが、システム間の連携です。

共通の情報を保持するTMSとPOSシステム、この2つのシステムを連携させることで、そのデータを一元化できます。そして入力の二度手間を解消し、スタッフの負担を減らすことが可能です。

例えば、TMSがPOSシステムから上映情報(作品名、上映スケジュール、スクリーン番号など)を取得することで、劇場スタッフは、スケジュール作成を効率的におこなえます。

また、SPL(Show Play List、プレイリスト)のテンプレートやコンテンツ上映条件などを作成の上、POSシステムから上映情報を取得することで、SPLの自動作成も可能になります。

またその他に、POSシステム上でチケットが販売されていない上映のプロジェクターランプを、TMSの機能によって自動的にオフにすることもできます。チケット販売のリアルタイムなフィードにアクセスし、チケットが販売されていない場合には、事前設定された時間にランプをオフとする指示を、プロジェクターに送信できます。

プロジェクターとそのランプは、毎年で何百時間も稼働しており、とても大きなエネルギーを消費します。動員ゼロの時にランプをオフすることができれば、映画館にとっては大幅なエネルギーの節約となるので、費用の削減だけでなく、環境に配慮するエコロジーの観点からも好ましいです。

実際に海外では、映画館のチケット販売システムとTMSを連携させている例が、多々あります。

当社が取り扱っているArts Alliance Media社(AAM)のTMSにおいても、30社を超えるPOSシステムとの連携がサポートされているように、TMSとPOSシステムの連携は、もはや当たり前になってきています。

TMSとPOSシステムを連携することにより、劇場運営の効率化をさらに進めることが可能になるのです。

さいごに:各システムの運用方法を見直して効率化しよう

映画館のデジタル化が進み、各システムによって、劇場運営の効率化は進んでいきました。しかし、独立したシステムが併用されることで、逆にコストや時間のロスを招いている事象も出てきています。

デジタル運営が安定してきた今だからこそ、システムの運用方法を改めて見直すことが、未来の映画館運営に直結していきます。

当社が提供しているArts Alliance Media社(AAM)のTMSでは、映画館の高度な自動化オプションに対応し、デジタルシネマにおける最新のプロジェクターやテクノロジーをサポートしています。もちろん、本記事でご説明したような、POSシステムとの連携も可能です。

世界36ヶ国・約43,000以上のスクリーンに導入され、世界で最も利用されているTMSであり、年間数百万回に及ぶ上映を管理しています。

映画館のシステム周りやデジタル運営でお困りのことがありましたら、お気軽に当社までご相談ください。

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上映素材を映画館までインターネット経由で配送するDCP配信サービスや、上映・興行管理システム(TMS:シアターマネジメントシステム)については、日本国内の50館以上へ導入され、映画館のデジタル運用を日々サポートしています。

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