TMSのオフセット機能とは?【上映開始時刻の逆算を自動化して編成業務の負担を低減】

本上映前に流す「幕間上映」。幕間上映を実施している場合、お客様に公表している時刻に本上映を始めるためには、幕間上映の時間を考慮して、プレイリストの開始時刻を前倒しして設定する必要があります。

この「早める時間」を、毎回スケジュールに手作業で反映していないでしょうか。幕間上映が合計7分なら、上映時刻から7分引いた時刻を計算して入力する――。1回ならわずかな手間ですが、上映回数分・スクリーン数分となると、地味に時間を取られ、計算ミスの心配もつきまといます。

こうした逆算の作業から現場を解放してくれるのが、TMS(シアターマネジメントシステム)の「オフセット機能」です。この記事では、当社が取り扱うAAM社のTMS「Screenwriter」を例に、オフセット機能とは何か、どう役立つのかを、現場目線でわかりやすくご説明します。

オフセット機能とは? 本上映の時刻を基準に、上映開始時刻を自動で前倒し

オフセット機能とは、公表している時刻に本上映を始めるため、その前に流す幕間上映の分だけ、上映開始時刻を自動的に前倒しして配置してくれる仕組みです。

少し具体的に見てみましょう。たとえば、お客様に「14時00分から上映」と公表しているとします。その前に幕間上映を7分間流すなら、実際には13時53分から再生を始めなければ、本上映が14時00分ちょうどに始まりません。

従来は、この「13時53分」を担当者が計算し、スケジュールに入力していました。オフセット機能を使うと、プレイリストの中で本上映が始まる位置に基準点となる目印をつけておくだけで、TMSがその目印より前にある幕間上映の長さを読み取り、自動的に上映開始時刻を前倒しして配置してくれます。この例なら、幕間上映が7分あることをTMSが認識し、13時53分から上映が始まるよう自動で調整します。担当者が「何分前倒しするか」を計算する必要はありません。

オフセット機能の有無による、上映開始時刻の調整フローの違い
オフセット機能の有無による、上映開始時刻の調整フローの違い

オフセット機能で、現場はこう変わる

オフセット機能の価値は、単なる時短にとどまりません。入力ミスの防止や編成変更への柔軟な対応にも役立ちます。

毎回の「引き算」から解放される

もっとも大きいのは、幕間上映の長さを毎回計算しなくてよくなることです。本上映の時刻さえ決めれば、上映開始時刻は自動で前倒しされます。上映回数やスクリーンが多いほど、この手間の削減効果は大きくなります。

計算ミス・入力ミスを防げる

手作業での引き算には、どうしても計算間違いや入力ミスのリスクがあります。「幕間上映の分を引き忘れて、本上映の開始が遅れてしまった」といったトラブルは、避けたいものです。オフセット機能なら、TMSが正確に前倒しを計算するため、こうしたミスを防げます。

編成の変更にも対応しやすい

幕間上映で流すシネアドや予告編は、時期によって内容や本数が変わります。オフセット機能なら、目印となる本上映の位置さえ決まっていれば、幕間上映の長さが変わっても、その長さに応じてTMSが前倒しの時間を計算し直してくれます。編成を変更するたびに上映開始時刻を計算し直す必要がなく、素材の差し替えや追加にも対応しやすくなります。

オフセット機能の設定で、日々の計算業務を減らせる

オフセット機能を利用する際は、あらかじめプレイリストの中で、本上映が始まる位置に基準点となる目印を設定します。日々の編成作業で、その都度「何分前倒しするか」を計算する必要はありません。

あとは、その目印より前にある幕間上映の長さをTMSが読み取り、前倒しする時間を自動で計算します。「何分早めるか」という数値を入力する必要はありません。目印を一度置いてしまえば、以降は本上映の時刻に合わせて、上映開始時刻をTMSが自動で調整してくれます。

ご利用にあたっては、あらかじめTMS側での設定が必要です。設定の内容や進め方については、導入時にご案内しますので、お気軽にご相談ください。

チケットシステムとの連携と併せて使う

オフセット機能だけでも編成作業は楽になりますが、チケットシステム(チケットの予約・販売を管理するシステム)と連携させると、編成作業はさらに効率化されます。

この連携では、チケットシステムに登録済みのタイムスケジュールデータをTMSに取り込み、上映の枠を自動で生成できます。この取り込みで作られた枠に、オフセットを設定したプレイリストを割り当てれば、本上映の開始時刻はチケットシステムのデータから取り込まれ、プレイリストの開始時刻はオフセットによって自動調整されます。

つまり、担当者が手作業でスケジュールに向き合う場面が大きく減り、上映スケジュールの作成そのものが、ぐっと軽い作業になります。

チケットシステムとの連携については、以下の記事でも詳しくご紹介しています。上映スケジュール登録の自動化や業務負担の削減にご興味がある方は、ぜひ併せてご覧ください。

さいごに:時間の逆算を気にせず、編成できる環境へ

上映開始時刻の逆算は、1回ごとは小さな作業でも、毎日・複数スクリーンで積み重なれば、確実に現場の負担になります。オフセット機能を使えば、その計算から解放され、編成の変更にも柔軟に対応しながら、ミスのリスクを抑えて上映を組み立てられます。

特に、複数スクリーンを運営している映画館や、幕間上映の編成変更が多い映画館では、効果を実感しやすい機能です。

  • 毎回、幕間上映の分を手で引き算している
  • 本上映の開始時刻がずれないか、いつも気にしている

――もし心当たりがあれば、オフセット機能が役に立つかもしれません。オフセット機能の使い方や、チケットシステムとの連携を組み合わせた効率化について、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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