字幕付きテレビCMの現状 【字幕CM制作の最新状況】
字幕付きテレビCM素材の受け入れが、2022年10月から全国ネットワーク系列局のネットタイム枠・ローカルタイム枠・スポット枠でスタートしたことにより、すべてのテレビCMに字幕が付けられる体制が整いました。
2020年10月から関東エリア5局のタイム枠のみでスタートした字幕付きテレビCMは、今年で3年目を迎えます。ESGやSDGs、企業の社会的責任などに関心が高まる中、大手クライアントを中心に字幕付きCMの普及が広がり、2022年末の時点でCM全体の7%にまで拡大しています。
字幕付きテレビCMの普及に向けて、民放連、日本アドバタイザーズ協会、日本広告業協会JAAの三団体によって取り組みが進められていますが、今回の記事では、
- 字幕付きCM普及促進委員会の調査結果
- 字幕付きCM制作の現場はどうなっているのか?
- 実際に広告会社はどのように対応していけばいいのか?
を解説するとともに、当社が制作した字幕付きテレビCM素材を放送局にオンライン搬入した事例についてもご紹介します。
字幕付きテレビCMのロードマップとは
2022年10月から全国放送局のスポット枠にも拡大され、現在ではすべてのCM枠において、字幕付きテレビCMの受け入れが可能となりました。
今後は、視聴者からの意見を取り込みながら制作本数が増えることにより、字幕付きCMの費用対効果が上がることが見込まれています。そして、字幕付与される比率が向上し、さらに普及していくものと思われます。
字幕付きテレビCMの効果と視聴者の意識変化
すべてのテレビCMに字幕を付けられる体制が整ったことで、耳が聞こえにくいなど聴覚に不安を持つ高齢者の字幕付きCMに対する意識にも、変化が出てきました。
字幕付きCM普及促進委員会における最新の調査によると「CM好感度と内容理解度」、「興味関心度と話題拡散性」、「購入・利用意向と企業イメージの変化」すべての指標において上昇する効果があり、テレビCMが本来の役割をさらに発揮する結果となっています。
「字幕なし」と「字幕あり」では、すべての指標において「字幕あり」の方が効果が高いことが分かります。また健聴者であっても、内容理解、話題拡散性、企業イメージは「字幕あり」の方が高ポイントという結果になっています。
テレビCM搬入基準 (2022年10月適用) 改訂について
10月からのスポット枠の受け入れ開始で、字幕付きテレビCM素材の増加が見込まれることから、安全なCM運用を確保しつつ、広告主、広告会社、民放事業者それぞれの作業負担を軽減するため、事前確認の提出資料が簡素化されました。
ナレーション原稿を含むカットシートの例
※ナレーション原稿すべてが字幕化されるわけではありませんが、考査時に字幕事前確認シートと合わせて、制作の前工程での提出が可能になります。(制作工程・確認工程の時間を短縮できます)
字幕CM制作の現状および制作の流れについて
それでは、字幕付きCM制作の現状と、実際の流れについて見ていきます。
現在、字幕付きテレビCMの制作が可能な制作会社・ポストプロダクションは、東京を中心に複数社ありますが、地方での導入はまだまだこれからという状況です。現段階で字幕CMを制作する場合には、当社を含め、東京の制作会社・ポストプロダクションに依頼するのがスムーズです。
以前は複雑だった制作フローですが、2022年10月におこなわれた字幕付きテレビCM搬入基準の改訂に伴い、普及を促進すべく事前確認が簡素化され、シンプルなフローになっています。
初号の納品後、制作扱い広告会社が制作プロダクションを通さずに直接、対応するポストプロダクションに字幕付きCMの制作を発注し、納品物を受けることが可能です。また、本編集MA後、当社を含む素材搬入事業者に委託することも可能です。
その後、納品されたCM素材を素材搬入事業者にお渡しいただくと、放送局へオンライン送稿で納品されるという流れになります。
制作扱い広告会社が、当社やポストプロダクションへ直接発注でき、シンプルな商流で字幕の付与が可能です。
字幕CM制作のスケジュールは?
それでは、当社にご依頼いただいた場合のスケジュールについてご説明します。
現状では、本編集MA後、原版データ(ProRes422HQ推奨)をお預かり後、5~6営業日で対応可能です。カットシートで局考査を並行実施、またカットシートでクライアント確認が得られれば、工程期間は4~5営業日に短くすることも可能です。
事前にご用意いただくもの
- 字幕無しの原版データ(ProRes422HQ推奨)
- 字幕素材用10桁CMコードと【字】の素材名
- カット表等作品内での音声内容が把握できる資料
こちらをご用意いただければ、当社にて字幕付与からオンライン納品までを、ワンストップで対応いたします。
さいごに
最近、テレビのCM内に「字幕」マークを見かけることも多くなってきました。
字幕CMの放送が始まってから数年が経ち、視聴者の意識変化や多くの大手クライアントによる対応もあって、今後普及はさらに進むものと考えられます。
ただし制作現場での対応は、まだまだこれからというのが現状です。
字幕CMについてご不明な点があれば、ぜひお問い合わせください。
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動画による説明
字幕付きテレビCMについて、動画でご説明しています。
製品ページ
ブロードメディアでは、CMオンライン送稿サービスを提供しています。
素材搬入事業者としてテレビCMへの字幕制作(付与作業)に対応しており、協力会社を通じて字幕付きOA原版作成が可能です。
初号をお渡しいただければ、字幕制作(付与作業)からオンライン搬入(局納品)まで、ワンストップで対応いたします。
何かお困りの際には、ぜひお気軽にご相談ください。
参考用サイト(出典・引用元)
- 日本広告業協会「字幕付きCM PORTAL WEB SITE」
- JAAA 字幕CM協議会「YouTube 字幕CMチャンネル」
- 日本民間放送連盟「テレビCM素材搬入基準(2023年2月改訂版、PDF形式 2MB)」
テレビCM素材搬入基準、オンラインCM搬入基準、ベースメディアCM搬入基準、字幕付きCM素材搬入暫定基準など (こちらの一覧ページからもアクセスできます)